この記事では、河野那歩也さん原作『監禁嬢(かんきんじょう)』80話(最終回)のネタバレ・感想を紹介していきます。
監禁嬢80話(最終回)のネタバレ
仏壇に手を合わせる村井文未乃は、古本屋内の客から声を掛けられ、出向きますが…
一瞬、裕行に見えたと思いきや、全然違う男性客だと気づき、何もなかったかのように、目的の本を探してあげます。
その頃、葵はライブ前の一服をしていて、間も無く本番とのスタッフの声に導かれ、ステージへと向かいます。
そのライブハウス内では、麻希が友人を待っていて、開演ギリギリでようやく合流し文句タラタラ。
さて、裕行はその時、大阪・通天閣付近を歩きながら、あの時死んだカコのスマホから一部を除いた全ての真相が書かれていたのを思い出します。
カコが犯した事件の全ては発覚したものの、裕行が犯した罪が一切書かれていなかった。
後日、刑事の西田に全てを語ったところ、やはり時効成立・未成年ということで罪として立件不可能との回答。
どうにか罪を償う方法はないかと喘ぐ裕行に一言。
“去勢でもしたら”と、機械的な目を向けられます。
さて、その頃ライブハウス内で、葵が来るのを待つ客の中に混じる麻希と友人。
なぜ、麻希が裕行と別れなかったのか、理解に苦しむ友人に、淡々と語ります。
人は人を傷つけるし、誰にとっても都合の良い人などいない。
許し合うことでしか他人といることなどできない。
そして、裕行は絶対に麻希を裏切れない。
なぜなら、この世で唯一、裕行を許してくれる存在だから。
それは、自分が変わらない限り、ずっと変わらないものを手にしたのと同じだと、ステージで歌う葵に問いかける笑顔を向ける麻希。
そんな、麻希と生きることを選んだ、傲慢な自分に吐き気を覚える裕行は、ふと街歩く人々を見やると…
全ての人間が、ぐちゃぐちゃになったカコの顔で歩いているように見え、
“なかったことにしないでください”
最後のカコの残響が消えず、その場で嘔吐しかける裕行。
すると、一人の少女が駆け寄ってきて、見ると自分の愛娘・ヒワの姿。
手を差し伸べるヒワに、裕行は自分の手を差し出すと、手のひらが血に染まっているように映り、同時に自分の親父と同じ顔で笑います。
元妻が9時に迎えに来ると行って去っていき、束の間の娘との時を過ごせる裕行。
今まで出会った女達もまた、それぞれの日常を取り戻す様子が描写されます。
ただ、娘の手を握る裕行の手は、拭うことのできない大量の血が塗りたくられたままで…
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監禁嬢80話の感想・考察
カコへの贖罪は永久にできない!?
誰もが過ちを犯し、それを許すことで他人と繋がっていられる。
麻希が言った言葉は、裕行の世間的なハレンチ行為とは、別次元の底なしの闇を共有した唯一無二の人間であると、言い換えられるのではとも感じました。
被害者から被疑者になったカコが、見るも無残な自殺で、裕行以外はもうこの世にあの事件を語れる者はいないという事実。
そして、当然起訴することもできないため、あの事実を永久にカコの死に様と共に、抱えて生きていかねくてはならないわけです。
最後に叶わなかったカコの目的が、巡り巡って裕行を最大級に苦しめる結果になり、彼自身もそれを受け止める覚悟でいる様子と思われました。
でも、最後の娘の手を握ろうとした血染めの手を見て、笑った顔が、カコの父で笑っていた裕行父の顔と重なり…
実は、心の奥底で既に快感に変わっていたのではないかと、勘ぐってしまうくらい、極めて異質な人格を覗かせました。
結局、この監禁嬢で伝えたかったことは何だったのか?
壊れた人格者に恥辱の限りを尽くされ、復讐に生きる女。
その女に人生を破壊された人々。
何も知らずに、女に追撃され続ける裕行という平凡な高校教師。
死を免れた人間達は日常に戻るも、裕行だけは戻ることができず、死んだカコに未だ監禁されている状態。
自分の犯した罪からは、逃れられないという教訓が閉じ込められている作品であると捉えられる側面もあるのではないでしょうか。
まとめ
以上、『監禁嬢』80話(最新話)のネタバレと感想でした。
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました(^^