この記事では、『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』1巻〜5巻までの考察と感想などを紹介していきます。
斎藤悠介は、中学のクラスメイトの人生破壊ゲームを楽しむ主犯格。
失踪半年後、記憶喪失になり戻ってきた悠介は、どこにでもいる普通の高校生に生まれ変わっていました。
しかし、悪魔時代の被害者たちが次々と登場し、今の本人にとって身に覚えのない復讐がスタート。
徐々に記憶が蘇り、過去に犯した自分の罪と向き合う悠介。
女性にとってはエグい性描写もありますが、悠介の良心と悪魔の記憶が格闘する場面にグイグイ引き込まれます!
伏線も秀逸で、サスペンス系が好きな方にはおすすめです!
以下、1巻〜5巻までのあらすじなので、ザッと内容確認されたい方はご覧ください。
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君が僕らを悪魔と呼んだ頃の考察理由
『君が悪魔と呼んだ頃』は5巻までが高校編で、6巻からは成人編へと続きます。
成人編では、登場人物がガラッと変わるのと同時に、5巻までに出てきた人物が伏線キャラとして再登場することが予想されます。
なので、5巻までの見落としや違和感が生まれないように、疑問に感じたシーンについて、考察を入れていきたいと思います。
悠介が作るゲームの内容
中学時代、まるで無法地帯のように、あらゆる悪事をやり尽くした斎藤悠介。
一方、教師や家庭内では、成績優秀、スポーツ万能、誰からも頼られるリーダー的存在。
目をつけた人間は、悠介が作るゲームの玩具になりますが、相手が訴えに出られないよう、物証データを残し、言いなりにさせます。
大概が、辱めを受けさせられた画像・動画データで、それらは全てUSBに保管。
もし、そのデータが被害者に流出し、訴えられたら、逆に悠介たちが人生崩壊。
ルールは、玩具を壊さない=殺さないこと。
ゲームオーバーの危険性を背中合わせに、スリルを楽しむ毎日。
そんな悪魔時代の悠介が、玩具にした被害者名と、その末路を見ていきましょう。
ゲームの被害者とその後
まず、中学時代にどんなゲームをしてきたのか、作中の被害者名と罪状をまとめました。
シュウ|背中の大火傷(傷害罪)
いじめの対象から仲間に昇格させる条件として、「背中に日本地図を書こう」と提案。取り巻きに押さえつけられ、背中に熱湯をかけて大火傷を負わせる。
さすがの仲間もドン引きするも、悠介は腹を抱えて笑う。結局、いじめは続行されて、耐えきれず転校するシュウ。
会澤曰く、ちょうど悠介が地図帳をなくして、新しい地図帳にうってつけだったとの事。
会澤陽二郎|右手の穴(傷害罪)
中1の工作授業で、作業中に誤ってドリルで手のひらに穴を開けてしまった会澤。
それを隣で見ていた悠介が「“その穴”どこまで大きくできっかな?」と、毎日毎日、ちょっとずつムリヤリ穴を広げられます。
結果、5本の指のうち中指と薬指は神経が通らなくなったとのこと。
この件の悠介の記憶は戻らず、会澤の一方的な話になるため、真偽は不明。
由真と麻美(強制性交等罪)
無理やりの性行為に抵抗するため、「カメラを回してネットに上げる」と脅迫。
その後、性に目覚めた二人は率先して、クラスの女子を巻き込むビッ○に転身。
高校でも悠介を見ただけで発情するほどで、記憶喪失になった童貞・悠介はドン引き。
一ノ瀬明里(強制性交等罪)
たまり場の廃校舎で、悠介とその仲間に毎日ムリヤリ犯され、挙句の果てには孕ませて、強制的に堕ろさせます。
その後、自殺未遂の果て、自主退学し、「汚い」という幻聴が聞こえてしまい、高校も退学し、社会復帰自体が困難な状態。
作品4巻の回想シーンでは、高校1年の時、悠介と生まれ故郷に身を隠し半年間の生活。
そして、両親を殺害したストーカーに襲撃され、返り討ちにして廃校舎の花壇に埋める。
悠介と一緒に投身自殺を図る手前で、環やシュウ、飼い猫のユースケに助けられます。
三田村兄妹(強制性交等罪・傷害罪)
廃校舎で、悠介がムリヤリ三田村・妹との性行為をする現場を、三田村・兄が見せつけられ、それをオカズに自分でさせられ、動画を撮られます。
記憶喪失後、兄妹は悠介の母親を通り魔的に暴行。しかし、動向が会澤にバレて、悪魔のフリをしながら三田村・兄の足の指をハンマーで滅多打ちする悠介。
その後 、悠介と一ノ瀬が自殺を図ろうとした時に、松葉杖をつきながら現れた三田村兄妹。
懺悔する悠介に復讐するどころか、怯えながら「二度と関わらないで」と頭を下げる兄妹。
被害者には、復讐ではなく恐怖の対象として、深く植えつけられてしまったわけです。
沢村|いじめによる自殺
2巻の作中でシュウが明かしたクラスメイト名。
「お前の遊びに耐えきれず、自分で自分を壊した」との発言から判明。
他にも1巻で、悠介の記憶を取り戻すために、廃校舎に忍び込んだ際、いちゃつくカップルを見つけてスタンガンで気絶させる会澤。
女を目隠しして縛り上げ、安全ピンをアイスピックと偽り、首筋に突きつけて脅し、服従させるシーンもありました。
会澤曰く「悠介が教えてくれた」とのこと。
このセリフから、会澤はゲームの中心者になっていたとも捉えられます。
会澤が穴を開けさせた理由とは?
会澤が手のひらにドリルで穴を開けられた経緯については、どんな脅し文句だったのか真意は明かされていません。
おそらく、悠介の「人生破壊ゲームのカリスマ性」を見抜き、いじめられる側に回る前に、手のひらの穴と2本指の神経を代償にしたとも考えられます。
かなり無理がある考察ですが…
作中では、何度も手のひらの穴越しに覗いてくるシーンが不気味でした。
前田さんも見てるんですか!
あとちょっと会澤の穴の空いた手から覗くシーンがしつこかったですwww
話的には面白いんで続き気になりますけど( ー̀ н ー́ )— もりまつ (@Tkfhk_ma_) 2018年11月17日
会澤が運転手付きリムジンをレンタルできるほど財力があるので、少なくとも中流家庭以上であるのは分かります。
親には間違いなく説明を求められるはずですが…
しかし、会澤自身が悠介のゲーム実行者になっている時点で、今さら事実を話せる状況でもなく、それを受け入れているとも伺えます。
悠介が自首しない理由とは?
記憶喪失後に被害者と再会し、全ての罪を思い出した悠介ですが、なぜ自首しなかったのかが疑問に残りました。
1巻で、会澤が「自首するなら、彼女の環をまわす」と悠介を脅すシーンがありましたが、データの入ったUSBの束を入手した時点で、悠介への脅迫は解除。
シュウも「罪を背負って生きていく」ことが、悠介が最も苦しむ方法であると提案。
そこには、悠介に罪を償わせることも、前科持ちにする意図もありません。
つまり、自首というパフォーマンスは、もはや被害者にとっては綺麗事なわけです。
なので、「お前は、いつでも狙われている身」という恐怖感と罪悪感を植えつけ、地獄の精神状態で生活させることの方が、被害者の願望にかなった形と考えられます。
6巻では、そのまま姿を消した悠介の10年後が描かれ、内なる悪魔が蘇生。
今度は実行犯にはならず、マインドコントロールにより、家族同士が破壊し合うように仕向けるわけです。
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さいごに
以上、『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』1巻〜5巻の考察でした。
正直、もし悠介に自首させれば、一生犯罪者としてのレッテルを貼れたはずです。
そうさせなかったのは、やはり憎悪とともに、他人のように突き放すことができない、魅力を感じていたからなのでしょう。
きっと、読者自身も取り込まれているはず…
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました(^^