かつてクラスメイトを蹂躙してきた胸糞男子が、高校入学後にある事件で記憶喪失になり、闇討ちの如く虐めてきた人間から復讐される漫画『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』10巻の、
をまとめて紹介していきます!
※登録後31日以内に解約すれば月額は発生しません!
『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』10巻のネタバレ
10巻の見どころは全部で11話分ありますので、順番にネタバレしていきますね!
-
Point1(100話)
柴崎の遺影を前にした米村は…
遺影の中で微笑む柴崎。
沈痛な面持ちで亡くなった理由の不可解さを語る、参列した刑事たち。
すると、そこに遅れてやってきた警部・米村を見て…直属の部下を失った悲しみは計り知れない…と、心を痛めます。
“あああああ柴崎ィ!!柴崎ィィ”
慟哭して棺の前に膝を付いて、取り乱す米村。
葬儀後、柴崎の妻・由美が挨拶に来ました。
彼女に、部下であった柴崎のまっすぐな姿勢や、自分もすぐに追い越し署内一の実力を持っていたと語る米村。
そして、なぜ柴崎が命を落とすことになったのか…
事件当日、柴崎が会いに行きたい重要人物がいたこと。
そこに自分が同行していれば良かったこと。
由美の前で、“私がもう少し目を光らせていたらこんな事には…”と、自分を恨むよう土下座する米村。
しかし、由美は刑事の妻になった以上、こうなることは覚悟していた。
そして、恨むべきは柴崎が会ったという犯人ただ一人。
“もし今 目の前にいらた この手で殺してやりたい…!!”
痛みを共有する表情のまま、“奥さん…”と言って、お腹の子供の名前を伺う米村。
“勇…樹。勇樹…と名付けるつもりです”
そう聞くと、由美のお腹に手を当てて、子供に呼びかけるように、必ず父の仇をとると誓う米村。
“お願い…お願い…しま…す 必ず、必ず健のカタキ…お願い…します 米村さん”
場内で泣き叫びながら、夫を殺めた人物を暴いてもらうよう託す由美。
通夜の途中で抜け出し、朝一の捜査会議まで待っていられないと、他の刑事たちに訴えかける米村。
“米さん…俺も手伝います!”
我も我もと米村の熱意にほだされて、他の刑事たちが一丸となって犯人追求へと足並みをそろえます。
“柴崎の弔合戦だ 行くぞ皆!!”
そう叫んび先頭に立った米村。
ニィと…口元を緩ませて…
-
Point2(101話)
米村の一言で蒼志がとった決断とは?
12月30日夜、解体工事の仕事納めの忘年会で、いつものキャバクラで飲む加地たちですが…
その場に、蒼志はいません。
義父殺しの容疑で警察に付け回されている蒼志は、街中を歩きながら悠介との出会いから今までを回想中。
すると、バッタリ米村と新しい部下の2人に出くわし、柴崎が死んだことを伝えられます。
その頃、自宅で柴崎殺害のニュースを見ていた緑は、側にいた茜にふと尋ねます。
“ゆきのひにユースケとケンカしたひとだよね?”
茜も柴崎の死については分からないと答えると、緑は自分のせいで柴崎も義父も死んだんだと攻めだします。
この2人は、大切な人に暴力を振るった、自分が嫌いだった人物。
だから、どちらも消えて欲しいとお願いしたからと…
最後まで言い切るまでに、茜に頬をグニュッと掴まれ、絶対違うと否定されます。
帰宅した蒼志は、緑が寝静まったあとで、茜から諸々の話を聞きます。
茜としても、偶然こんな嫌なことが重なり苦笑い。
初詣は自分らも悠介も厄介払いしたいと話しますが…さっき、警察から聞いた事を話をしだす蒼志。
殺された柴崎が、最後に会っていた人物が悠介であることを…
でも、それだけの理由で悠介を犯人扱いする蒼志に、反論する茜。
蒼志が悠介を信じていないことを悲しみますが…続きを話す蒼志。
警察は悠介が、完全に犯人と決めつけているわけではないこと。
そして、次の犠牲者が出るのを何としても食い止めたいこと。
“君が彼のコトを99%信じているのは分かる。だが1%疑わしいのも事実”
最後に米村から伝えられ、それが妙に自分の心底に落ちた蒼志。
そして、茜が緑にやったように、彼女の頬を掴みながらこう訴えかけます。
“その1%からお前たちを守るのが 今の俺が なすべきことなんだ…!!”
懇願する蒼志ですが、茜は気持ちの整理がつかず困惑しっぱなし。
ピンポーン ピンポーン…
突然、玄関チャイムが何度も鳴り響き、まさかと思う2人は…
-
Point3(102話)
アリバイ崩しを企む米村を待っていたのは…
玄関チャイムを鳴らしているのが悠介だったらどうする…
そんな不安と格闘しながら、ドアににじり寄る蒼志。
ガチャ、“コンバンワー夜分遅くに申し訳ない”
ドアを少し開けて顔を覗かせたのは、刑事の米村でした。
肝心の悠介が、隣の部屋にもおらず、バイト先も休みをとっていた模様。
代わりに事件当夜21時〜23時頃、悠介に何か変わった様子は見られなかったか聞かれます。
蒼志は仕事で職場にいたため分からず、ますます悠介への疑惑がシミのようにジワジワ広がっていきます。
“…あの、会いました”
なんと、緑にせがまれて一緒に買いに行ったイチゴを一緒に食べないかと、隣室の悠介を訪ねたという茜。
悠介からは、“大事な電話を待っているから…すまない”と言い断られました。
ただ、翌日夕方に会うまで、隣室から外出する音を聞いていない茜と緑。
“悠介さんは決して犯人じゃないって、私は…そう思います”
ただ、彼に変わった様子はなかったかを聞かれた茜は思い出します。
“誰に何を言われても警察は信用するな”
射抜くような鋭い眼光で、それを言った悠介。
さすがに、これを言うわけにはいかない…と考え、何もなかったと答える茜。
このあたりで聞き込み終了する刑事たち。
結局、信用に足りるアリバイはないと、悠介を第一容疑者に仕立て上げる米村。
要は、茜たちに気づかれないように、そーっと玄関を出て行くくらいはできると…
余裕の米村たちは、そのまま停めてある車に向かいます。
“やっと来た。寒くて死ぬかと思ったぜ”
そう刑事たちに言ったのは、なんと…
車のボンネットに腰掛けて肉まんを頬張っていた悠介で…
-
Point4(103話)
悠介と米村の過去探索ブレーンとは?
“あんパンじゃなくて肉まんだけど”
茶番の聞き込みご苦労とも言わんばかりに、米村に差し出す悠介。
“ふざけるな”と、怒気をはらんで付き添い刑事の三毛谷が払いのけ、任意同行するよう迫ります。
何も悪いことをしていないし、逮捕状持ってこいと、呆れ顔で強気の悠介。
米村が静かに、あの晩に柴崎と何を話したかと聞き出そうとしたため、舌打ちまじりに結論を言います。
“本当に分かんないの…?お前が怪しいって話だよ”
それを聞いて“柴崎の仇めー…!!”と、キレた三毛谷を抑えて車に乗り込む米村。
その後、刑事が来たけど大丈夫かと、蒼志に肉まんを差し入れて部屋に戻る悠介。
蒼志はテーブルに肉まんを置きっぱにして食べないため、茜が食べようと手を伸ばすと、グッ腕を掴んで制します。
毒でも入っていたらと勘ぐる蒼志に、心底悲しむ茜。
“これじゃあ皆で初詣も行けないじゃない!”
その会話を、玄関外で聞いていた悠介は、携帯を手に取り電話を掛けます。
おチャラけた会澤の声が聞こえ、早急に警察を調査してもらうよう依頼。
もう手段は問わないと言い切る悠介は、あの悪魔時代の目を光らせて…
一方、車で帰り途中の刑事たち。
怒りが収まらない三毛谷に、証拠が足りなすぎると足踏みする返答をする米村。
ただ、笑顔でコーヒー缶を片手でメコメコと潰す米村を見て、スッと正気に戻る三毛谷。
悠介を追い詰めるには、捏造は危険すぎる…そして、思い出したのが恩田夏樹。
(そういやいたな、たいそうご立派な証拠持ってたオネーチャンが)
監禁・拷問をした恩田に、再び接触を企む米村は…
-
Point5(104話)
会澤が紹介した猫と遊ぶ女がまさかの…
大晦日の早朝に、突然東京まで恩田夏樹に会いに行くと米村に言われ、事態が飲み込めない三毛谷。
夏樹の妹の事件では、犯人が有罪になったけれど、裏で斎藤悠介が繋がっているという推察を伝える米村。
その件を含め、いろいろ嗅ぎ回っていた夏樹が、急に引きこもったことを不可解に思う三毛谷ですが…
(俺がこの手で壊しちまったからさ)
悠介になりきって夏樹を監禁し、拷問と洗脳したことを内心ほくそ笑む米村。
さて、これから夏樹に会う目的とは何か…
それは、あの雪の日、蒼志の義父を殺害したあと、奴が夏樹から受け取った悠介にまつわる資料を発見。
“オイオイ マジか…悪魔…だな”
中学時代の悪行の数々を覗いて戦慄と同時に、本物を見た喜悦を感じる米村。
ただ、資料を手にしたアリバイを作らなければ、変に疑いが向けられるため、恩田に会って資料データ(コピー)を直接受け取る必要がある。
全ては悠介を犯人に仕立て上げるため。
そう思いながら自動改札を通った時、すれ違いざまに、どこか見覚えのある女性を見た気がした米村。
ただ、気にとめることなくホームへと足を進め…
その少しあと…
近くの公園に出向いた悠介と会澤。
悠介が、茜との初詣を断る留守電を入れたのを見て、茶々を入れる会澤。
理由は、また目の前で人が壊れるのが怖い…だから、距離を置くと、会澤の問いに答える悠介。
ところで、会澤が懸念している悠介の不安要素が、今回の件以外にもあると示唆。
“あの廃校舎の花壇から白骨化した死体が発見された”
悠介が茜のバイト先でラーメンをすすっていた時、ニュースで流れた事件。
ただ、それを“くだらない事”だと言いのける悠介。
事実は変えられないし、今更どうしようもない。
悠介は、蒼志の件とは比にならないという感じで流します。
“…だってさ”
急に会澤が誰かに話しかけるかのように、“どうする”かと尋ねる、その先にいたのは…
どうしても、廃校舎事件について話したいと押し切られ、応じた人物。
“ねぇ?一ノ瀬さん”
-
Point6(105話)
恩田を誘う巧みな説得術とは…
悠介が10年前に今生の別れに等しい別れ方をした。
そして、もう二度と会って記憶を掘り返されたくない人物。
一ノ瀬明里を目の前に、一瞬時が止まり、同時に会澤への怒りが急騰。
“これはアウトだろ”
そして馬乗りになって我を失いながら、何度も会澤を殴りつける悠介。
一ノ瀬が止めに入った頃には、既に気を失った状態までボコボコになった会澤。
あのストーカー男の白骨死体が上がった時、自分から悠介に会いたいと依頼した一ノ瀬。
“感謝してるの。あの日のことだけは10年経った今でも”
あの時の自分が憑依したような、恐怖に満ちた目で見る悠介に、話を聞いてもらいたいと懇願する一ノ瀬。
その頃、恩田の家のインターホン越しに、頑なに会おうとしない恩田を説得中の三毛谷。
“ウルサイ!!ウルサイ!!”
悪魔の悠介を捕まえるなんて不可能。
妹の一件から追いかけて5年。決定的な証拠も見つからず、関係者らしき人物に当たれど、悠介を恐れて証言を得られず。
挙句は、直接本人に脅しをかけて口を割らせようと試みたものの、拉致監禁されて、メンタルと共に積み上げてきた5年間も無に帰す…
何も思い出させないで欲しいと、髪を搔きむしる恩田に米村は語りかけました。
“…似てるなァ”
昔、自分も凶悪犯を追いかけて、一度死にかけた経験がある。
命からがら助かったものの、その後は恐怖で足がすくみ、何度も殺された悪夢を見て、飛び起きたこともの多々。
未だに悪夢に捉われているものの、1人でも多くの犯人を捕まえるため、毎日必死で踏ん張っていると…
“それが私の選んだ仕事ですから”
その言葉を聞き、妹にジャーナリストの夢を語った、かつての自分を思い起こし、使命感を掻き立てられる恩田。
“1時間だけ待ってて”
そうして、恩田が会うことを了承したところ…畳み掛けるように、真犯人を暴いて犯人を捕まえるのが、自分達の仕事だと煽る米村。
“ねぇ?恩田さん”
-
Point7(106話)
想定通りの恩田の説明は信じないフリで…?
恩田から連絡が来るまで、カフェで待つ米村と三毛谷。
わざわざ恩田の自宅で事情を聴くのは変だと疑問に思う三毛谷に、
人前で話せないこともあると答えたところ、ちょうど着信アリ。 再び恩田の自宅に戻り、迎えた恩田に対し、本当に大丈夫かと再確
認する米村。 まずは、恩田が引きこもりになった原因を聴き、悠介に会った日か
ら経過を辿りながら、話し始めます。 悠介に関するデータはバックアップのコピーのみで、オリジナルは
藤森兄妹の義父・草下部幹也に渡したとのこと。 ただ、草下部殺害で紛失してしまった件や、その後は悠介と思わし
き人物に拉致・監禁され根性焼きの拷問を受けたことなど、傷痕を 見せながら生々しく語る恩田。 それを聴き、真剣な表情の米村ですが、心では俺がやったんだけど
な…と、ほくそ笑みように繰り返します。 すぐに逮捕状を出そうと、熱り立つ三毛谷ですが、悠介の犯行だと
いう確証がない為、踏み切ることはできないと冷静な米村。 データのみを預かり名古屋に戻る2人。
帰りの新幹線でPCから悠介のデータを見た三毛谷は唖然としまし
た。 想像以上に悪魔的で、特に複数人にマワされて、妊娠中絶から自殺
未遂を図った、一ノ瀬明里は悲惨すぎると絶句し… -
Point8(107話)
ストーカー殺しの記憶だけ残ったのは…
公園を歩きながら、一ノ瀬は観光スポットや自分の近況を、楽しそうに話し始めました。
それは、特に取り繕った様子のない、等身大の彼女の姿だと見た悠介は…
“変わったな お前…明るくなったっつーか…”
この10年間、毎日やってくる“普通の生活”を送り、それまでの絶望と憎悪の日々を少しづつ上書きしていった結果なのか…
そんなことを思い、ホッとする悠介。
尚のこと、自分と関わってはいけないと思っていると、一ノ瀬から悠介の近況を聞かれます。
彼女とは対照的に、10年経とうが罪悪感は薄れることなく、時々自分が傷つけた人物の顔が蘇ることがある。
そして、一つ判明したこととは…
あのストーカーを殺めた記憶だけ、記憶喪失後も鮮明に覚えていた理由。
一ノ瀬いわく、最も罪が重いからと回答するも、それは逆で…
“罪と思ってなかったんだ”
ストーカーを亡き者にしたことは、罪悪感には含まれない唯一の記憶だったワケです。
だからこそ、一ノ瀬には幇助した罪を感じることなく、無関係でいて欲しいと伝え、悠介自身は来るべき時が来たら捕まった方が楽になる。
そう言いかけると、“その時は私も一緒ね”と、一ノ瀬自身も10年間、罪の意識を抱えていた案件であると明かします。
でも、悠介としては一ノ瀬の勝手な行動を、今許すワケにはいかない。
藤森兄妹を救うため…
この10年間、自分が関わった人間が皆不幸になっていく様を見て、苦悩のなかで今度こそと全身全霊の思いを懸ける悠介。
あの悪魔だった悠介が、他人を慮るような行動をしている。
一ノ瀬は、藤森兄妹を救ってくれることを願いつつ、悠介に断言しました。
“そしたら私も もう あなたを許す”
水に流すことはできないものの、その姿が本物ならと…
-
Point9(108話)
蒼志が逮捕されたと知った悠介は…
ガーゼを顔に貼った状態で、一人で名古屋名物の味噌田楽を食べる会澤。
悠介がキレやすくボコされるのは想定内。
それより、悠介と一ノ瀬の愛憎劇をアレコレ妄想してニヤついているところ、悠介に発見されて口を紡ぐ会澤。
一ノ瀬から、“(藤森兄妹を)救ってみせろ”と言われ、いよいよ戦闘準備にかかる悠介。
今回の敵である、米村警部の尻尾を掴む糸口になり得る情報を、根拠を含めて会澤に伝えます。
一つは、自分が柴崎に殴られた雪の日。
良い上司のような風貌で自分に謝罪した際、一瞬だけ…
“何か面白そうなオモチャを見つけた時”の自分と同じ表情だったとの事。
そして、もう一つが柴崎が殺害される前に、自分と接触してきた理由。
その時、罠でも無能でもなく、上司に聞かれたらマズイ事だと察した悠介。
豊田夫妻と同様に操られていた、と言い残した柴崎。
その翌日に柴崎が殺害されたため、署内でもっとも身近な存在・米村と何かあったと結びつけたわけです。
昨日は米村に直接カマをかけたものの、一切動じなかった様子から、相当な自信や切り札があると睨む悠介。
その頃、帰りの新幹線に乗っていた刑事2人。
悠介のデータを見て青白く吐きそうになる三毛谷を、冷やかしながらも捜査の主軸をブラさないよう伝える米村。
“俺達が斎藤を追うのは、あくまで柴崎殺害の容疑だけだ”
そして、管轄外の草下部殺しの捜査は別の刑事が動いていて、自分らと方針は一致しているから心配ないと…
つまり、物証、アリバイ、動機など、犯行に繋がる全てが、藤森蒼志が犯人であるということ。
その頃、アパート前に着いた悠介が見たのは、玄関ドアに泣きながら寄り掛かった茜と緑。
一足遅かった…と言わんばかりに慄いた表情に変わる悠介。
そして、蒼志が警察に逮捕され、半ばパニック状態の茜がすがりついてきて…
-
Point10(109話)
悠介を疑う蒼志の心情とは…?
警察に逮捕されたはずの蒼志ですが、いつの間にか悠介の後ろから、何もなかったかのような雰囲気で戻ってきて、驚く一同。
でも、やはり浮かない表情を残し…
蒼志はさっきまで、喫茶店で話していた警察とのやり取りを思い出します。
亡くなった母と再婚した義父は、金・酒・女に溺れて、暴力で兄妹を押さえつけていたこと。
虐待されている件も、警察は一向に取り合ってくれなかったこと。
そして、義父に恨みを持っている蒼志が、今回の事件で動機やアリバイを鑑みて、最も有力な容疑者であると言う警察。
勝手な推測を並べる警察に憤り、テーブルをバンッと叩き、悪魔のような義父から助けてくれた悠介の恩義を訴える蒼志ですが…
“俺達をあの悪魔から解き放ってくれることだって…”
実は、悠介が義父殺しの犯人なんじゃないか…という含みを持った言動を走らせてしまい、それを聞き逃さない警察。
警察が蒼志に近づいた目的、それは…
蒼志が自分らを救済してくれた隣人・悠介を、内心疑っているという事実確認。
今、目の前で、自分を気遣ってくれて、無事を安堵してくれた悠介を、なぜ自分はここまで疑ってしまうのか…
今夜は年の瀬。
悠介に初詣に一緒に行こうと誘い、そこで洗いざらい真実を聞いて明らかにしたいと、心に誓う蒼志ですが…
-
Point11(110話)
20年後の蒼志を取材したのは…?
玄関ドアを開けると坊主頭の悪ガキが、不信感たっぷりの目線を送ってきました。
見たこともない女が突然やってきたもので、親父の愛人かと言おうとしたところ…
強烈なゲンコツが決まり、少年を奥へとやり“愚息がすみません”と苦笑いをする、逞しい体格の男が迎えてくれました。
これが…20年後の蒼志。
女ジャーナリストは、20年前の事件について恐縮ながら取材に来て、蒼志も自分には答える義務があると言って、語り始めました。
あの悠介との最後の初詣…
藤森兄弟と一緒に参拝を済ませ、おみくじを買いに行く茜と緑。
その隙に、蒼志はついに核心部を悠介に尋ねました。
“ユースケさん、あなたが殺したんですか?”
つまり、義父も柴崎刑事も…そう疑念を吐露する蒼志に対し、何て答えて欲しいのかと質問返しをする悠介。
自分が殺っていないと言えば信じるのか?
自分を騙すために俺を利用するなと、信じたい気持ちだけでは、本当に人を信じることはできないことを諭され…
全てを見抜かれた蒼志。
でも、“それでいい”と言って、今もっとも最優先するべきことは何か?を問いかける悠介。
“か、家族っス…”
悠介への恩義より、藤森兄妹3人の日常を守ること、それだけが蒼志にとって何より大事なこと。
怪しいものは疑い、それらしい言葉に惑わされることなく、日常を食い破ろうとする悪魔から逃れるよう、呟きながらニヤける悠介。
ゾクッとした蒼志の元に姉妹が戻ってきて、大吉のおみくじを見せて喜んでいました。
悠介は一切自分のことを疑っていない…一番怪しいとされるのは自分なのに。
20年後の蒼志は振り返り、“今思えば、あれはSOSだった”と、首筋の傷跡を掻きながら話していきます。
つまり、最後まで蒼志は信じられず、事件はそのまま結末を迎えていったと…
自分が信じ続けていたら、悠介の未来もきっと変わっていたはず。
後悔と謝罪の念を抱えながら、傷跡を掻く手を止めずに…
※登録後31日以内に解約すれば月額は発生しません!
『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』10巻の感想・考察
悠介が冤罪で追い詰められる予定?
柴崎がとうとう亡くなり、生々しい葬儀の様子が見事でした。
米村はまだ誰にも勘付かれていないようですが、正体がバレ次第、柴崎同様に処分する流れになりそう…
そして、これからの捜査は確実に悠介が重要参考人として標的にされるでしょう。
なにせ、柴崎が亡くなる当日最後に会った人物となりますからね。米村を除けば…
誰が蒼志の心を動かせるのか?
米村の術中に見事ハマってしまった蒼志。
信頼すべきは悠介…だけど、疑わしきも悠介。
葛藤に苦しみながらも、一番大切な家族を守ろうとする兄としての信頼も失うわけにもいかない。
今も悠介を100%信じている茜と緑。もちろん、蒼志も最初はそうでした。
ただ、米村から何度も吹き込まれた蒼志は、実は自分も犯人と疑われている手前、悠介が犯人と思いたい気持ちが芽生え始め、保身の心が宿り始めたとも言えます。
その疑心暗鬼に苛まれる蒼志は今、悠介の言葉をどの程度受け入れられるのか…
事件当夜に悠介と電話した人物とは?
悠介のアリバイ崩しに決定打を打てなかったものの、容疑者としてて仕立て上げるには十分すぎると踏んでいる米村。
対する悠介は、その警察の動きを掌握し、米村の犯行の尻尾をつかむ打開策に動いていたと考えられます。
そして、事件当夜に待っていた1本の電話。
確実に、キーパーソンになるはずですが、これが一体誰なのかが気になりますよね。
意外な人物設定でなければ、会澤や恩田あたりでしょう。
読者への伏線描写もない、水面下で動いていたとあれば、加地なども考えられます。
悠介から米村に正面切って行ったのは、逆に米村のアリバイが崩せたからと思いたいですが、どこに穴があったのか…次回が楽しみですね。
米村はシュウの一件を知ってる…!?
互いのシッポを掴むために、水面下の探り合いを入れていく展開になってきましたね!
おそらく、悠介には引き続き会澤が、米村には新たに恩田がブレーンになるはずです。
恩田に関しては、拷問した犯人は悠介と思い込んでいるから、米村にとっては都合がいい。
脱線ですが、そうなると米村が“シュウの日本地図”について知っていたのは謎ですね…
悠介の弱みを握るために奔走している現在、中学時代の彼について、米村はまだ何も知らないと解釈するのが妥当なはず。
この矛盾について、後半うまく回収してもらえるとスッキリ読み進められるなと思います。
一ノ瀬が悠介に確認したかった事とは?
ようやく登場したキーパーソンの一ノ瀬明里。
10年前の廃校舎事件について、かつて自分を蹂躙し、かつ両親を殺したストーカーから救い出した悠介に、今になって何を話すつもりなのか…
廃校舎に重大な証拠を残したままなのか?
であれば、一ノ瀬にとっては逆に、悠介を正当に追い詰められるため、好都合なはず。
予想を上回る展開と、過去の伏線が他にもあったのか…気になりますね。
悠介がここまで暴発し理由とは?
一ノ瀬明里という、かつで女性に対する最大の恥辱を与えた人物。
同時に、悠介が命がけで、彼女に襲いかかるシリアルキラーを倒したのも事実。
その全てが、自分では抱えきれない罪となってのし掛かり、記憶喪失になるほど全身で拒絶するまでになった悠介。
渋谷のビルでケジメをつけた後、もう二度と会うことがないよう、自ら姿をくらませたほど、一ノ瀬は彼にとって凄惨な記憶の鍵を持つ人物であるわけです。
それが不意に目の前に現れた恐怖。
そして、このセッティングを勝手に許容した、会澤への激しい憤り。
会澤自身も確実にボコされることは、承知の上という口ぶりでした。
そこまでして、一ノ瀬が悠介に話したいことは…
まさか自首を促すつもりなのか…それとも、何か現在進行している何かがあるのか…
米村の同志愛をくすぐる戦略とは…?
ついに目的となる、悠介に関するデータを入手して、辻褄合わせに
恩田は蒼志の義父殺害も、拉致監禁犯も悠介だと思い込んでいて、
悠介の前科何犯分の悪事が露見して、いよいよ容疑者としてデッチ
ここで、廃校舎事件が明るみに出たら、それこそ本当の実行犯とし
そうなれば、圧倒的に不利になるので、明里とのやり取りが鍵とな
一ノ瀬にとって会澤の存在とは…?
悠介が藤森兄妹を救いたい事実は、ここにきて確信的なものになりました。
悠介のなかで、最も重い罪悪感の象徴である一ノ瀬と、10年ぶりの対面を果たし、恥も外聞も取っ払った上で言い切ったから、これが最後の仕事・使命のようなエンジンが掛かった瞬間でもありましたね。
ただ、悠介が傷つけた時に、会澤が含まれていなかったのは色々残念な部分。
さっきまさにボコボコにした人物で、右手の手のひらをドリルで貫通させて大きい穴を開けた、おぞましい過去があるにも関わらず…
悠介のなかでは、その後の会澤が自分の分身となって動いたこと。
さらに、一方的な罪の意識を凌駕するほど、自分と同じ罪の時間を過ごしたパートナーと感じているため、償う対象から外れたと考えられます。
結局、倒れた会澤を野ざらしにしたまま、一ノ瀬が悠介と並んで歩くということは、彼女としても会澤は同情するに値しない人物であることが明らかになったシーンでもありますね。
蒼志逮捕のために米村が蒔いた種とは?
義父と柴崎殺害の犯人が悠介であると、矛先を向けていた刑事。
それが、まさかの義父についてはダミー。
最初から、蒼志を逮捕する事が目的だったわけです。
そのためには、邪魔な悠介を蒼志と一時的に距離を置かせる必要がある。
悠介にお前が全ての実行犯だと、思わせるように仕向けたのもその為。
そうすれば蒼志を巻き込まないよう、藤森兄妹と接触を絶つと踏んだ米村。
はたから見れば、蒼志は容疑者として濃厚で、逮捕できるには十分な条件。
これで、完全に立場は不利になり、追い込まれてしまった悠介ですが、ここから打つ手はあるのでしょうか…!?
警察にとっての蒼志は悠介逮捕のエサ?
蒼志がこのまま拘留されると思いきや、即行戻ってきて拍子抜けしてしまいましたね。
結局、容疑は晴れないまま解放されたということなんでしょうか…
義父殺害の重要参考人として聴取した警察ですが、本当の目的はやはり、蒼志たちが慕っている隣人であり、警察の仇とされている悠介だったわけです。
彼を捕まえるためには、多少の強行を取ることもやぶさかではないと考える警察。
蒼志がこのまま悠介への疑念が残ったままでは、最後まで警察に利用されることになるのが、一番の気がかりですが…
いきなり未来編に飛ぶわけは…?
もはや完結編・最終回まで秒読みと言うサインなのでしょうか…?
しかも、いきなり20年後とは…なかなかのジャンプ力ですね(笑
蒼志の語りを鑑みると、やはり悠介は最後まで犯人扱いされ、真犯人の米村刑事が不本意ながらも勝ってしまう結末になると予想できます。
現役悪魔の米村が優秀なのか、元悪魔の悠介が良心に足を掬われてしまったのか…
柴崎以外、周りの刑事の無能さにも心底呆れますが、本当に悠介は本件に関しては無実の罪で捕まってしまったのでしょうか。
もともと期待していませんでしたが、おそらく後味MAXに悪い終わりを迎えるはずです。
『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』をお得に読む方法
『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』を漫画で読んでみたいという場合、動画配信サイト「U-NEXT」なら登録後すぐにトライアル用の600Pを使用して1冊無料で読むことができます。
登録も3分くらいで済むので、今すぐ読んでみたい方にはオススメですよ!
※登録後31日以内に解約すれば月額は発生しません!
まとめ
以上、『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』10巻のネタバレと感想・考察の紹介でした。
最後までお読みいただきありがとうございました(^^