毒親

血の轍7巻のネタバレ感想や発売日!静子がしげるの回復を願う理由は?

この記事では、単行本『血の轍』7巻ネタバレと感想を紹介します!

6巻の終わり方

朝、静一を起こしに行った静子。

“静ちゃん、起きて。もう8時よ”

ベッドに腰掛けて静一の顔に手を当てる静子。

“パパがね、9時過ぎには出発しようって。しげちゃんのとこに”

朝飯は肉まんとあんまんのどちらか聞いて、どっちでもいいと答える静一。

父と3人で車でシゲの元へ向かいます。伯母も静子が来てくれるだけで嬉しいと伝える父。

“私もうれしい。やっと行げて…”

後部座席からは静子の表情はわからず、静一は終始黙っています。

病院に辿り着いた3人は、シゲたち伯母のいる病室まで向かいます。

並んで歩く静子。どんな顔をしているのか横顔をチラッと覗くと、目元をニコニコさせていました。

病室に入ると、迎え入れてくれる叔父と叔母、そしてベッドの上でうっすら目を開けているシゲ。

“しげる!静ちゃんたち来てくれたん。わかる?”

シゲの様子を見た後、静子を見ると喜び顔で…

“…しげちゃん。よかった…気がついて”

静子の声を聞くと、何かを思い出したように視線を上にあげ…

“あ…ちょうちょ”

記憶を手繰り寄せるかのように真顔でボソッと…

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血の轍7巻のネタバレ

死地より生還した「真実(=しげる)」は静子と静一をどこへ導くのでしょうか…

7巻の見どころは全部で7話分ありますので、順番にネタバレしていきますね

  • Point1(51話)

    しげるの記憶回復を願う静子…!?

    “ちょうちょ”と、発した言葉の意味は置いといて、しげるが喋れたことに沸々と喜びが湧き上がる親戚一同。

    静子も頬を紅潮させて笑顔を見せます。

    その傍で、父が“ちょうちょがどうしたん…”と聞き、天井を見つめて何かを手繰り寄せるしげる。

    その様子を見て、前のめりになりながら、“しげちゃん。わかる?静子おばさんよ”と、自分をアピールしだします。

    静一にも声をかけるよう呼びかけましたが、しげるの一言は、“だれ…?”

    しげるは記憶が欠落していると誰もが察した瞬間でした。

    叔母が再度、いとこの静一であることをしげるに伝えるも、首を横に振るだけ。

    “しげちゃん。思い出して。ほら。過保護の静子おばさんよ

    まるで記憶を取り戻させようとグイグイ迫る静子。しげるに無理させないようにと、すぐにそれを制する父。

    “ごめんなさい”と、真っ直ぐにしげるを見る静子。外に出ようと促す叔母たち。

    “いやあ…でも本当、良かったいなあ”と、再度安堵の言葉をこぼす父や親戚。

    日々看病をし続けてくれた叔母をねぎらい、しげるの強さを実感。

    一方、“ずっと…お見舞い来れなくて…”と申し訳なく謝る静子に、思いつめないでと心情を労わる叔母。

    しげるが元通り元気になって、自分や静一のことを思い出してくれるまで、これからは何でもすると気持ちを伝える静子。

    静子の真心を受け止めて微笑む叔母。“ありがとう。静子さん”

    静一は、ふと横から見やった静子の瞳に、光明を探すことはできず…

  • Point2(52話)

    自己破壊願望を食事中につぶやく…

    “じゃあね。ありがとう静子さん。静ちゃんもありがとうね。またしげるに会いに来てね”

    叔母からそう言われ、“あ…はい”と返事をする静一。それを横目にチラ見する不気味な静子。

    帰りの車で、“お昼どうすんべぇか”と、外で食べることを提案する父。

    “いかだ屋はどうだ!?うどん!”

    バックミラーから静一に呼びかけた父。放心状態に近いウツロ生返事で答える静一。

    静一は父から促されて同じ「天ざるうどん」に決め、“ママは?”と静子に食べたいメニューを聞くと…

    “…私は、なんでもいい”と答えるも、天ざるうどんだと“そんなには食べられない”との事で、「ざるうどん」に着地します。

    明るい感じで注文する父。間も無く、注文したうどんが来て、各々が無言ですすります。

    すると、静子が“はぁー…”と、憂鬱感を思わせる声を漏らし、“ママ、どうしたん?”と夫が尋ねます。

    どうも、しげるの病室を出てから様子がおかしく、“なんか…怒ってるん?何かしたかいオレ?”

    と、訝しげな表情になる夫。でも、何もしてないの一点張りで、静子が一体何が気掛かりなのか心配になり…

    “なんか引っかかってることがあるんなら、言ってくれよ”と、しげるが目覚めて良かったことを持ち出します。

    すると静子は、悲しげな表情を作り…

    “「誰?」だって。しげちゃん。私達のこと何も覚えてないん。私達の存在すら覚えてないん。何が良かったっていうん?”

    だんだん思い出してくれる保証もない。本当に思い出すのか分からないのに適当なことを言うなと夫を攻める静子。

    隣に座る静一は、チラッと静子を見ると、固まった微笑のまま話を続けていました。

    “適当に…ヘラヘラして…何もわかってないくせに…!”

    さすがにカチンときた夫は、本当に良かったと思ったことや、静子も気に病んでいたことを踏まえ、しげるの意識が戻ったことにまずは喜びを感じているはず

    整理のつかない気持ちを解きほぐすように、真剣な表情で答える夫。

    束の間の静寂を破るように…

    “ハハッ…しげちゃんが…思い出してくれないんだったら…わたし…わた…し。私…どうやったら出ていけるん?”

    抜け殻のような笑みのまま静子は続けて、“やっと出ていけるって…思ったのに…”

    まさかの家を出る発言に、夫も理解が追いつかない様子。

    「しげるが思い出す=静子が出て行く」の状況に、メガネをずらして手で目を押さえて参っている夫。

    “なんでだよ…?”

    静子は窓から遠くの雲を眺めながら衝撃の一言。

    “わかんない…ぜんぶ…こわれてほしい…”

    自己愛と破壊願望…異なる欲望の間で動く静子の心に触れた静一は、彼女のために何が出来るのか…

  • Point3(53話)

    静子にかけられた暗示とは…

    “ねえママ。どうして死んじゃってるん”

    幼い頃、死んだネコに手をやる自分を思い出す静一。

    そして、しげが崖から落ちた時、2つのシーンが鏡のように目の前に映りました。

    しげを突き落とす静子。しげを助けようとして間に合わなかった静子。

    “ママ…どっち…?どっちが…ほんとなの…?ママは…本当は…どうしたいの…?”

    すると、次は自分の性器にアングルが映り、サッと手で隠す静一。

    静子にまどろむ目で見られて、必死に拒絶。

    “静ちゃん。ママはね…本当はね…”

    自室のベッドで目を覚ました静一は、階下の食卓に付き、父と一緒に朝食を食べます。

    昨日の件もあり、食事も取らずに自室にこもっている母に不安を向ける静一。

    心配になり、様子を見に行き“いってきます”と声を掛けました。

    すると一言だけ、静一に向け“ママとしたやくそく。おぼえてる?”

    それは、吹石とは会わない。理由は、自分が嫌だから…

    何かに取り憑かれたような表情“はい”とだけ返事をして、学校に向かう静一。

    教室の席に着くと、吹石がこちらを見やりますが、お互い特に何の反応も示さず。

    ただ、机の中に(長部へ)と書かれた一通の封筒が入っていて…

  • Point4(54話)

    静一が発した吹石と会わない理由が…

    吹石からの手紙を読むと、雨のトンネルの中で別れた後、どうなったかが書かれていました。

    最後に、“靴とジャージ返したいから、裏門のところで待ってる”という文字がが目に止まり…

    給食当番の吹石は、静一が食事を取りに来た時も、目を合わせることなく放課後になりました。

    “やくそくね”

    母の言葉が脳裏をよぎり、そのまま裏門には行かずに帰ろうとする静一。

    しかし、何を思ったのか、突然走り出して裏門にいってみると、そこには吹石が立っていました。

    “長部。手紙、読んでくれた?”と、笑いながら迎えてくれました。

    靴とジャージが入った袋を渡し、“大丈夫だった?あのあと…”と問いかけた吹石に対し、もう会わないと母と約束したことを伝える静一。

    そのまま、帰ろうとする静一の背中に声を掛け、引き止める吹石。

    “長部の気持ちは?長部はどうしたいん?”

    静一は、まるまる母から暗示を掛けられた言葉、自分がいやだから吹石が好きじゃないことを伝え、最後に…

    “もう飽きた。もう話さない”

    蝋人形のような凍りついた笑顔を向けて、そのまま帰途につく静一。

    “やくそく…まもった…”

  • Point5(55話)

    従順な息子に静子はゲス目線を向けて…

    吹石を拒絶できた達成感と、母への忠実さを貫き通した静一は、玄関ドアを開けて帰宅。

    静まり返った家に、母の存在を探りながら、部屋を覗いてみると…

    まだ、今朝と同じ部屋で仰向けになって眠っている静子。

    そばに寄ってきて、静子の寝顔に話しかける静一。

    “ママ…僕…ちゃんと…やくそく…まもったんさ…”

    そう言った後、静子の顔を見ながら彼女のお腹に頭を乗せ“トクン トクン”という鼓動の音に耳を傾けます

    目を瞑りながら安らかな表情のまま、幼児期の自分を抱きかかえる母の姿を思い浮かべます。

    “せーちゃんは ほんとにいいこー かわいい子ー ままのたからものー ずうっとずうっと だぁいすき…”

    夢うつつの中で、ふいにリアルな静子の声が聞こえてきました。

    “静ちゃん。なにしてるん?どいて”

    ハッと目覚めた静一は、瞬間パニックになり、どもりながらも吹石と会って拒絶したことを伝えますが…

    “近づくなって言ったんべに”

    無味乾燥な声と、魂の抜けたような表情でつぶやく静子。

    “あっちいって。ママねむいから”

    吹石に会ったこと自体が掟破りだったのか…?

    愕然としながら“ごめんなさい”と返事する静一。

    とんでもないことをやらかした…という顔のまま部屋を出て行き…

  • Point6(56話)

    パパと同じ顔と言われた静一は…

    季節は秋になり、ジャージ姿で廊下を歩く、浮かない表情の静一。

    “はどうほう!”

    そう叫びながら突然背中を押して、じゃれ合ってくる友人たち。

    彼らの横を通り過ぎながら、諦めたような切ない表情の吹石

    夕方から夜にかけ、学校から帰宅する静一。

    玄関内には、扇風機が出しっぱなしで、夏のあの時から変わらず、散らかったまま…

    “ただいま”

    静子に帰ってきたことを伝える静一。

    以前、家族3人で食事をしていた居間は、もう生気を失ったように雑然と散らかり、そこにボーッと座椅子に腰掛けている静子

    “お姉さんから、電話あったんさ。しげちゃんち行くよ。また”

    しげの様子を見に来てほしいとの要望なのか、頻繁に呼ばれ、その度にバスでしげの家まで行く2人。

    これも以前は、父親の車でスッと行けたのに、今はその足もなく…

    バスに揺られながら、車窓に映る自分の顔を見る静子と、視線を下に落として隣に座る静一

    “はあー…ああやだ。どうして私達がわざわざ行かなきゃならないん?”

    しげの記憶が戻るために、静子たちと合わせるのが効果的と考える叔母一家。

    ただ、リハビリ要員としてイチイチ呼び出されては、たまったもんじゃないとブツブツ独り言をつぶやく静子。

    何かを言おうとして、結局それに同調する相づちを打つ静一。

    そして、隣の静子の手に視線を移し、その手を握ろうと自分の手を伸ばしますが、恥ずかしげにすぐ思い留まります。

    “ママ…僕にできること…ある?”

    静子への忠誠心に支配された静一は、何とかしてあげたい気持ちのまま、静子に尋ねますが…

    “できること?静ちゃんに何ができるん?パパみたいな顔して

    使えない人間を見るかのように、能面ヅラで感情のない顔を向ける静子。

    むしろ、それは敵意にも似た表情

    自分が旦那を意味不明な理由で追いやった上、静一にその姿を重ねる、危険な心理状態。

    静一はまた俯きながら、しかし確信を込めて否定する言葉を繰り返します。

    “パパみたい…じゃ…パパみたいじゃない…”

  • Point7(57話)

    静一の前でしげが突然徘徊しだして…

    三石しげの家の玄関口で、叔母から歓迎される静子と静一。

    静一が覗いた静子の顔は、笑った目が硬いまま…ただ、静一以外はそれに気づかない表情を作っていました。

    リビングに通された2人が目にしたのは、リハビリ帰りでソファに座り脱力状態のしげ

    “しげちゃん。こんばんは”と、挨拶をする静子に対しても、虚ろな目線で“う…わかんない…”と答えるだけ。

    大丈夫と優しく声をかけ、早く思い出してくれるのは待っていると呼びかける静子。

    また、左手の麻痺も快方に向かっていると聞き、あからさまに喜ぶ静子。

    記憶が戻ったら、また静一とも遊ぼうと呼びかける叔母に、無反応なしげ。

    “あ、もうこんな時間”

    そう言って席を立ち、キッチンへ向かう叔母に、静子も手伝うと言って2人で部屋を出て行きます。

    残された静一に向かって、しげに話しかけてあげるよう促す叔母。

    その時の母の表情は、後ろ姿で見えませんでした。

    しげに向かって恥ずかし気に、“なんだろう…話す…ことって…”と、言った途端…

    “ここ、どこ…?”

    目を見開いて辺りを見回すしげは、“かあさん…どこ?”と呟きながら、ソファを立ち上がって歩き出しました。

    突然のことで、呆気にとられた静一はただ見守るだけ。

    すると、踏み出した足がもつれて、バランスを崩して倒れそうになったしげ…

  • Point8(58話)

    記憶が蘇ったしげは恐怖に震え…

    前方に倒れそうになったしげを、危うくガシッと抱きかかえる静一。

    そして、次の瞬間…

    静一の目の前に、あの蝶が舞う崖っぷちがフラッシュバックし、抱えたしげを勢いよく突き飛ばしました…!

    床に顔をぶつけたしげは泣き出しキッチンから驚いて飛んでくる叔母。

    一体何があったのかと静一を見上げる叔母に、しげが勝手に転んだと答えます。

    すると、仰向けになったしげが、絶句しながら震える手で指差した先…

    それは、なんと静子

    今までぼーっと虚ろな顔だったしげが、目を見開いて恐怖に慄く表情を見せます。

    あ…あ…と、言葉が出てこないしげを不審に思い、静子を見上げた叔母

    きょとん顔の静子は、一体何のことか分からないと言わんばかりに…


ニャン玉
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59話から先は8巻のネタバレ記事に続くニャ!

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血の轍7巻の感想・考察

静子の考えとは一体!?

静子の今が保てているのは、しげるが植物状態で話せない状態のおかげ。

しげるが目覚めて、静子が自分を崖から突き落としてしまったことを告白したらと思うと、気が気じゃないはずです。

でも、どっから見ても動揺の色はなく、にこやかに話を聞く静子が怖すぎる…

唯一、現場を目撃した静一を、あの悍ましき洗脳により記憶の差し替えに成功したのに、しげるの目覚めであっけなく瓦解。

とはいえ、静一の洗脳は解けていないので、しげるが静子に突き飛ばされた事実を、逆にしげるの記憶違いと言いのけるでしょう。

その上で、叔母が一体どちらを信じるのか…当然、静子は自分の言い分が通せるという、圧倒的な自信あり。

もしかしたら、しげるにまでも記憶の差し替えを迫る静子がいるかもしれません…

静子がしげるの回復に献身的な理由…

しげるの記憶が戻ったら、大パニックになるところでしたが、まさかの部分的な記憶喪失。

しげるが意識を失う直前、最後に見たのが静子の顔。あまりの恐怖に、無意識下で記憶にフタをしているのかもしれません。

しげるを崖から突き落とした時の静子は、一体どんな顔をしていたんでしょうか。

息子をからかう邪魔者を排除したという、喜悦した女の表情を浮かべていたのでは…

なのに、しげるの記憶復活に献身的な姿勢を見せる、矛盾している静子。

それは、どう言われようが身の潔白を証明できる、自信の現れなのでしょうね。

もし記憶が繋がり、恐怖に戦慄したしげるが何を言おうとも、歪曲させた事実と忠誠心をすり込んだ静一がいる限り安心。

それは、“助けようとしたけれど間に合わなかった”という、しげる転落現場の唯一の目撃者である静一が発することが決定づけられているから…

でも、静一にかけた呪いのような洗脳は、果たして解けることはないのでしょうか…?

保身に向かって真っしぐら…

しげるが快方に向かうにつれ、歓喜の声をあげる周りに反して、罪人としての人生が迫り来る恐怖が芽生え始めた静子。

それをもはや映画でも見ているように、思考停止状態で眺めている静一。

静子にとって、もはや静一を味方につけようがつけまいが関係ない状況。

意識を取り戻すことを全力で願う夫や叔母夫婦。

当然、自分もその一員であるかのように振る舞い、その笑顔の裏では二度としげるの記憶が戻らないことを祈る静子。

もはや、自分が何のためにしげるを突き落としたのかさえ、分からなくなっているのではないでしょうか…

結局は、自分の息子を鳥かごに入れることに拘りつつも、最終的には自分が一番可愛いんじゃないかと考えてしまいます。

自分の妻が壊れかけている理由が、皆目見当もつかない夫。これからどう真実へと向かっていくのか気になりますね。

巣に帰ったヒナに無関心の親鳥

静子がしげを突き落とした後に、静子の首絞め暗示を受けてエグい吃音に見舞われた静一。

でも、そのあと一度は目覚め、自我を取り戻しましたよね。

それは、決定的な被害者・しげの存在や、母の理解不能な凶行に良心が耐えられなかったとも伺えます。

ただ、今回は逆に、静子が吹石の被害者のような立場となり、確かな重りが乗った天秤を突きつけられたとも言えます。

母の元に帰巣したヒナ。

でも、その先には何が待っているのでしょうか…

罪から目を逸らし、母と虚飾をまとって生きていくことも出来ますが、もし…しげが記憶を取り戻したらと思うと…

ステレス機能搭載してるくらいマジ空気な父親には、毒親に飼い殺される苦しみが分かるはずもなく…

やはり、静一を再度目覚めさせてくれるのは、吹石なのではと願いたいところです。

静子が好きなのは息子ではなく…

 

静子に従順な静一の行動は、あっけなく砕け散り、心にささくれを残すほどに…

もはや、静子が守ろうとしているのは、愛する息子ではなく…

自分を保護してくれる唯一の存在…証人・静一。

余計な行動を起こさせずに、静かに自分の側に留めておくこと。

これが、迫りくる現実…つまり、被害者しげの記憶回復という恐怖から逃れ、言い知れぬ心のざわめきを掻き消す方法。

それには、吹石という、静一のリアルを呼び戻す存在を遠ざけることが必要不可欠。

ただ、明らかに静一が毒親に侵されていると察する吹石が、このまま引いていくはずはないはず。

またもや、静一をめぐった静子vs吹石のバトルで荒れそうな予感がします…

静子から見た静一はもう厄病神?

心配色を浮かべることなく、余計な勘ぐりもせず、ただ黙って自分の隣にいれば良い。

静子にとって、今の静一はそんな存在。

しげ転落の事実を知る目撃証人の静一が、絶対にそのことを言わないよう、入念なマインドコントロールを入れ、効果は継続中。

一方、自分が静子にとって唯一の味方であることに、生き甲斐すら感じている静一。

しかし、静子に対する献身的な姿勢を向れば向けるほど、理不尽なまでに拒絶され、もはや何をしても否定されている現状。

もう正直、「全部吐いて楽になれ」と静一に言いたいところ。

そして、しげが記憶を取り戻して、全てが暴露され、個々の悲鳴が共鳴するシーンも期待したいですね。

しげは何を思い出したのか?

静一を見て、母を求めるように歩き出しましたが、一体どんな感情だったのかが気になりますね。

しげは完全に記憶が戻ったのか?

まるで、あの夏の日を彷彿とさせるかのように、突き飛ばした静一。

静子の分身であるかのように、しげへの拒絶反応が本能的に出てしまったのか…?

記憶を取り戻す上で、記憶喪失になった過程を再現するのは効果的ですからね。

しかも、結果的にしげは悪魔の女を思い出してしまい、ちゃんと言語化されたら静子は詰んだも同然。

しげの言い分の信憑性よりも、確実な目撃者となる静一に是非が問われることになるはず。

その時、静子の洗脳を破って、良心が静一に真実は語らせるのか…気になりますね〜

まとめ

以上、『血の轍』7巻のネタバレと感想・考察の紹介でした。

最後までお読みいただきありがとうございました(^^

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