この記事では、ビッグコミックスピリッツで連載中の『二月の勝者』10巻の、ネタバレや感想・考察、無料で読む方法を紹介していきます!
『二月の勝者』10巻のネタバレと収録話数
10巻の見どころは全部で9話分ありますので、順番にネタバレしていきますね!
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Point1(83話)
灰谷先生の対抗意識がピークに向かう
フェニックスで灘中の過去問にトライした結果…
フェニックスのトップクラスでは、灰谷の数学の授業が盛り上がっていました。
上杉陸斗をはじめ優秀な生徒たちが、見たことのない灰谷の問題に矢継ぎ早に、いろんな案が出てきて、最終的に畳み掛けるようにみんなで解答にたどり着きました。
この問題が、最難関の灘中の過去問と知り、俄然モチベアップする生徒たち。
授業後に吉祥寺駅まで生徒たちを引率する時も、トップレベルの生徒が下品な笑いネタで男子爆笑、女子ドン引きと、ワチャワチャ楽しそう。
フェニ模試で黒木の授業法と模擬バトル
フェニックスに戻ると、隣に座る同僚の女性講師・桃田から、生徒を持ち上げたり難問でウェ〜っとさせるアメムチの使い分けが上手いと褒められる灰谷。
すると、桃田が1年前の黒木先生も兄貴分な授業スタイルで人気だったのを思い出す…と、灰谷にとっては余計な一言で、苦笑い。
来週は「フェニックスオープン模試」という御三家を含む最難関の志望者向けの模試。
もちろん外部生徒も受けられるため、上杉兄・海斗も来るはず。ここで黒木とトライアル勝負だと考える灰谷。
桜花ゼミナールでは黒木が一人残り、来週の模試にΩから6人受けることを確認。
今回の結果で今後の流れが決まる…
Ωクラス・花恋の母娘の考えの乖離…
自宅マンションリビングで模試対策の追い込みをかけ勉強中の花恋。
花恋自身は前回の桜蔭オープンで合格率40%だったのを、今度のフェニ模試では80%を獲ると集中の鬼になっていますが…
母の見立てでは、80%はどう考えても難しいと…花恋には頑張って欲しいけど、結果的に行ける中学校ならどこでもいいと…、やることリストを書いたスマホを見て葛藤。
島津順のメンタルが安定してきて…
島津順は祖母宅から自習のため桜花に向かいます。
祖母宅では、島津母が前回の説明会に付き添ってくれた叔母(姉)にお礼をいい、叔母自身は新鮮で楽しかったと。
順は開成に行けるかどうかは、正直難しい環境下になったけれど、どんな結果でも今の順なら大丈夫だと、見立てを語る叔母。
順は途中で海斗と偶然会い、海斗が不意に自作の近代史問題を出しますが、簡単すぎるからもっと捻ったの考えろ、と以前同様に師匠の顔を見せられて海斗も安堵。
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Point2(84話)
海斗の志望校は母にもマル秘!?
フェニックス模試が始まり、他塾の生徒たちも続々教室に入っていきます。
ただ、上杉兄弟は陸斗一人だけで、海斗の姿が見えずに不思議に思う灰谷。
麻布を受けるはずだったが、さすがに黒木先生といえど短期間で持っていくことはできなかった…という感じで、勝ち誇った顔を覗かせます。
一方、海斗は自習室に行くため玄関前で準備していると、黒木から海斗の志望校が東央だと聞いて安堵したと言う母。
海斗は父の母校に行きたいからと付け加えますが、母から難関校は無理せずに行きたいところを目指して欲しいと言う口癖に対し、
自分の志望校は母が決めるのではなく、自分で行きたいから決めていると伝え玄関を出ます。
順の背中を押した海斗の願いとは?
桜花ゼミナールに行く途中、フェニックスの開成模試帰りの島津順にバッタリ遭遇。
ちょっと付いてきて欲しいと言われて、井の頭公園の弁天参りにいきます。
参拝前に順が、ガラにもなく自信なさげな笑顔を向けて、開成はダメかも…と弱気な様子。
すると、声に出して自分にも開成にチャレンジさせてください、と願いを言う海斗。
母は無理だと言うけど、順みたくテッペンを目指してカッコイイ受験がしたい…!
それを聞いた順は、いつものドヤ顔を取り戻し、はっきり言わなっきゃダメだ…開成合格!
自分と海斗が開成合格するよう御祈念する順。
絵馬にも2人の開成合格を文字に起こし、いよいよ本腰を入れ始める2人ですが…
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Point3(85話)
合格率80%未満で電話ラッシュ!
お参りを済ませた佐倉は出勤後、どうにも落ち着かない様子。
そのはず、今日が帝都圏模試(A・Rクラス)の結果発表日で、ソワソワする佐倉と毎年のことで落ち着いている他講師(黒木は出社前)。
そして、結果表示されたPCモニターを見ると、Rクラスの子は揃って合格率80%のA判定に届かず…
佐倉にRクラス合格を託す黒木
案の定、電話が2本立て続けに鳴り、応対する他講師たち。
特に山本佳苗母の不安が電話越しに伝わり、やはり第一志望を安全校にすべきか悩みます。
そこへ出社してきた黒木に今の考えを伝えると、第一志望校は断固死守するとの返事。
しかも、フェニックス模試のA・Ωクラスも合格圏には入っていないと予想され、他学年の対応もしながら乗り切らないといけない。
そんな厳しい言葉と共に、Rクラスを佐倉に託し、合格に導いて欲しいと伝える黒木。
A判定じゃなくて良かった理由とは?
去り際に、「今回A判定じゃなくて良かった」と、一瞬嫌味と思われる言葉を残す黒木。
ただ、その言葉から思い出したかのように、佳苗の今までの模試結果の推移をチェックし、さらに去年の鈴蘭女子の受験データを確認。
すると、佳苗と同じ偏差値の生徒が7人中6人合格していることが判明。
すぐさま、佳苗の模試解答をチェックして改めて採点する佐倉ですが、消しゴムで消す際にビリッと用紙を破ってしまいます。
でも、そこで降りてきたのは、だいぶ以前に黒木がRクラスは、模試の問題は半分でおしまい、と言ってビリッと半分に分けたシーン。
閃いた佐倉が、鈴蘭女子の過去問をもう一度開いてみると…!
志望校を変えたいと聞いた佐倉の切り返し
翌日、面談に来たのは、結果を受けて不安げな表情を浮かべる佳苗母。
佐倉が担当として話を伺うと、やはり志望校の変更希望とのこと。
ランクを下げて精神的にも安全に受験に臨みたい佳苗母に、一旦ジャブとして、これほど熱望している鈴蘭を諦めるのは勿体ないと伝える佐倉。
それでも、不安を訴える佳苗母に佐倉が言ったのは、今の佳苗が鈴蘭を受験するのは背伸びでも何でもない。
そして、模試の偏差値も合格判定も、今後一切気にする必要はないと断言しますが…
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Point4(86話)
佐倉が佳苗母に持たせた希望的観測
子供より先に親が崩れる事実
模試の偏差値も合格判定も気にしなくていい!…と言われても、全然納得いかない佳苗母。
佐倉の切り出しとして、模試の結果は合否と直接関係ないため、鈴蘭の試験で合格ラインに乗せられる点数を取る。
当たり前のことに佳苗母も痺れを切らしそうな様子。
ただ、核心を突くように、模試が鈴蘭の出したい出題とはなっていないため、全範囲をやる必要はないと理解してもらいます。
正答率30%はやる必要はなく、正答率70%を確実に取ることを目的とする。
基礎固めを続けることで合格は見えてくると伝えますが、佳苗の苦悩する泣き顔を思い出して言葉を被せる佳苗母。
模試結果だけでなく、過去問も合格最低点に届かず、完全に参っていると…
努力が実らない状況から、子供よりも先に親が音を上げるとの、黒木の言葉を思い出す佐倉。
たった10点を越える方法とは?
過去問が届かないと言っても、たった10点。それを伝えると、その10点で娘が泣いていると訴える佳苗母。
しかし、佐倉がいう10点を越える方法とは、過去問から毎年出題される単元を徹底的にやり込むこと。
4教科合計で10点ということは、問題数では2・3問なので、直前期でも十分望みはある。
でも、そんなヤマを張るようなやり方で大丈夫かと不安をぶつける佳苗母ですが…
鈴蘭は12月の説明会で出題傾向のヒントを出す学校だと思い出させ、ハッとさせます。
さらに、昨年の鈴蘭受験者の7人中6人は複数回の受験で粘り合格、不合格の1人は倍率の高い日に1回のみ。
最後に、補欠が2回になった時は正規合格がもらえるシステム。
母娘の背中を押す佐倉の言葉に涙を落として、再挑戦する意を見せる佳苗母。
黒木がもっとも気がかりなΩ速報は…
面談後に戻った佐倉は、緊張が溶けてへにゃっと崩れ落ち、桂も労いの言葉をかけます。
佳苗の受験生の顔になって、本気で合格に向かっている意思を貫かせてあげられ、泣いて喜ぶ佐倉。
桂が買ってきてくれたホールケーキを頬張りながら、過去問の単元チェックを始めます。
帰宅途中、空手教室の苦い思い出を回想し、今度こそ勝たせてあげること。
そして、受験の勝利は1つではないと模索を続ける佐倉。
一方、一人塾に残りパソコン画面を見ている黒木。
クリックされたボタンは、学校別フェニックス模試のΩクラスの速報。
暗雲が漂う雰囲気に、黒木の心境は…
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Point5(87話)
Ωクラスの暗雲は誰のことなのか?
花恋の父親が帰国する
桜蔭を目指す花恋は、今回のフェニックスオープン模試で合格率50%まで上げ、花恋母も驚愕。
以前の桜蔭模試で点が取れなかった理由は、本番そっくりの記述形式で鬼ムズだったとのこと。
今回の成果の秘訣は、花恋が積み上げている過去問(国語)を想定した特訓ノート。
桜蔭お決まりの弁当箱問題をすべて埋められるまでに実力アップ。
桜花ゼミナールにも持参し、黒木からも一目置かれていると花恋母は関心、花恋は当然顔。
そんな時、まさかの海外赴任中で医療現場にいる父からLINEで、1月に帰国するメッセージが届きます。
あっちの現場が大変なのは重々承知…でも、花恋の受験も同じくらい大事だと返信をもらい、感涙する花恋。
開成の合格判定率に対して順は…
島津順の叔母の家では、開成合格率40%に対して、良いのか悪いのか分からんと困惑気味。
風呂上りの順は、微妙じゃねと言ってススッと通り過ぎていきます。
このままじゃ全然足りないから…と言い出す順に、また無茶するんじゃないかと順母はヒヤヒヤ。
すると、塾で黒木先生に相談すると言って、至って冷静。
それどころか、今勉強するのが楽しい、同じ目標の友達がいるからと笑顔を向けて、安堵する順母。
落ち込んだ樹里が復活した正答率とは?
JG(女子学院)合格率40%の結果に、いつもハイテンションの樹里も、膝を抱えながら落ち込んでいる様子。
ただ、樹里母から漢字問題が全問正解だよと聞き、飛び跳ねて喜びます。
漢字問題は、まるみと一緒に特訓したところだったからと感慨深げ。
まるみはどうだったかと案ずる樹里ですが。
まるみは落ち込み志望校も変更か?
一方の柴田まるみは、JG合格判定率20%の結果を受け、布団を被ってこもりっきり。
心配する母は、帰宅後の父に20%じゃさすがに厳しい、今から志望校は変えられないものかと相談し…
講師がまるみのポテンシャルに驚愕
1週間後、黒木たち講師陣は、各クラスのフェニックス模試結果の状況報告をします。
Aクラスは、志望校変更を希望する生徒が2名、特に伊達両親には泣かれましたが、むしろスッキリしたなど、乗るか反るかと言った瀬戸際。
Rクラスは、比較的落ち着いているものの、今川&大内の保護者から相談の連絡がないことが気がかり。
その時、まるみ母が満を辞して相談にやってきて、教室で黒木が対応することに。
まるみ母の動揺を見た佐倉が、そういえばと…渋谷大崎模試では、偏差値59という結果を講師たちに見せます。
夏から10ポイントアップし、準御三家も50%に届いている驚異的な成長に目を丸くします。
結果を一通り見た桂は、もしかしたらこれは「間に合うかも」とJG合格が現実味を帯び…
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Point6(88話)
黒木が潜む歓楽街の実態を橘が暴露?
陸斗の麻布80%はこの時期不味い?
上杉海斗の弟でフェニックス神7の陸斗は、模試で麻布中学の合格率80%を叩き出し、興奮気味で他の生徒たちと楽しげな様子。
でも、それを知った担当講師・灰谷は逆に“不味いぞ…”と呟きます。
この時期に80%という数字の何が悪いか、これは確実に伏線になりますね。
大内礼央が冬季・正月をキャンセル
その頃、大内家では礼央の志望校判定がDだらけで、いよいよ追い込まれていく母娘。
あくまで母親は自分が塾選びの判断ミスだと言うばかり。
桜花には内緒で、個別指導塾 ノビールに通い出した礼央に、どんな感じか状況を聞きます。
ただ、男の先生がどうも苦手だと打ち明け、桜花の担当講師・橘により苦手意識がついたものと察する母。
礼央としては、別にそこまで橘の影響はないと思うも、面倒になりそのまま母を泳がせる結果になります。
完全にノビール1本化を勧められた礼央母は…
ノビールで女性講師に変更できてホッとする礼央母。
するとノビール担当者から、冬期講習を桜花から切り替えすることを勧められます。
集団授業で伸び悩んできた今、思い切ってやり方を変えるチャンスだと…
その頃、同じノビールで個別授業中の今川理衣沙 母がお弁当を差し入れにきたところ。
理衣沙の様子を確認してから、志望校をワンランク落としたため、なんとか死守したいとブツブツ言います。
すると、以前桜花Rクラスで黒木の推薦でノビールに転塾した石田王羅が、低学年のやる100マス計算問題を達成して喜んでいるのを見て…
(アレで1時間4000円とか終わってるわー)と、呆れながら帰っていく理衣沙母。
礼央母がブチギレて全てキャンセル!
講師陣がデスクワーク中の時、桜花ゼミナールに大内礼央母から掛かってきた電話を受ける橘。
すぐに、黒木のメモ書きで、オンフック通話にして全員が聞こえる設定にします。
それが、冬期講習と正月特訓をキャンセルしたいとまさかの申し出で、怪訝な表情になる一同。
キャンセルしないよう、黒木メモを渡され、カリキュラムに乗って今まで一緒に頑張ってきた友達もいると説得に入る橘。
しかし、それが逆効果。
つまりお友達(理衣沙)の意地悪によって、礼央がストレスを抱えていた。
しかも、橘は礼央にも責任があり喧嘩両成敗だと軽く受け止め、礼央を追い込んだじゃないか…と。
事もあろうに、自習室でのトラブルは礼央にも問題があると、電話口で橘が言ったことで、完全にプッツンして、しかし冷静に電話を切る礼央母。
取りつく島もないと、ヤレヤレな表情になる橘に、“今のは最悪の対応”と黒木に影がかかります。
処分を下された橘が黒木の裏を暴く!
たとえもし、礼央に問題があっても、保護者には言ってはならない。
一方だけ味方する訳にはいかない橘の言い分も、「お客様」の気分を害する発言として言語道断。
そもそも信頼関係を築いていれば、百歩譲って耳を傾けてくれるかもしれない。
しかし、今の保護者の反応で、礼央への対応の積み重ねが露見し、結果的に講習を受けてもらえない責任をどう取るつもりかと切迫します。
そして、この件は自分がなんとかし、橘の処遇についても改めて伝え、佐倉にも礼央には関与しないよう釘を指します。
あまりにも一方的すぎる黒木にどうにも煮え切らない橘。
その夜、黒木が歓楽街を徘徊し「ある店」に通っているという情報を、友人がキャッチし共有してもらったのを思い出します。
本気で詮索する気はなかったが、黒木のパワハラがすぎると感じた橘は、意を決して店の階段を登ります。
すると、ある一室のドアが開き、中から出てきたのがまさかの青山!(一応東大ですの人)
助っ人を寄越してくれると黒木から聞いていたと歓迎モードとの青山。
橘を中に迎え入れ、事態が飲み込めない橘はそのまま室内に入り驚愕…
陸斗が隠れて解いていた過去問とは?
その頃、フェニックスでは、上杉陸斗が指定問題を解く時間にも関わらず、こっそり何かやっているのを発見する灰谷。
すると、家にあって面白そうだからつい解いてみた…と「開成中学」の過去問を見せます。
なんで、陸斗の家にそんな物が置いてあるのかと、疑問を巡らした灰谷は…
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Point7(89話)
灰谷が本性剥き出しで黒木ディス!
開成の過去問は誰のもの?
合格率80%で授業中に内職していた陸斗に、油断してない?と注意する灰谷。
聞くと、開成の過去問は家に置いてあったとのこと。
コレって海斗のものじゃない?、と灰谷はカマをかけますが、はぐらかすばかりの陸斗。
仕方なく陸斗に返す灰谷ですが、手が滑ってバッサッバサとページ間にあった解答別紙が散らばります。
それは、まさしく黒木による赤字添削で…
塾講師にクリスマスや正月など無い!
桜花ゼミナールでは講師の木村が、昨年度の合格者名の掲示物を剥がす作業中。
その後ろで、佐倉は空いたスペースにクリスマスの飾り付けをする感じかと聞いて、一瞬乗っかる桂。
ただ、そんなのは冗談だよねっ!?と悪魔の形相で、塾講師にはクリスマスも正月も無いから!と断言。
デートの予定なんて入れるな!と、心配無用の桜にも一応念押し。
そして佐倉が渡されたのは、数字だけのパネル。
2/1本番までのカウントダウン日数を入れ替える担当となった佐倉は、いよいよ本番間近ということを再認識します。
橘の処分とは?
一方、御茶ノ水校に呼び出された橘は、黒木に昨日の歓楽街の件を問い詰めます。
その前に、橘は自分に下された辞令を聞き出します。
意外にも急なものではなく、あくまで来年度の人事異動の「打診」とのことで、橘にも拒否権が与えられるもの。
それを聞いて安堵する橘ですが、間髪入れずに問いかけます。
なぜ黒木が如何わしい店の一室で個別塾を営んでいるのか…
灰谷の攻め口調に対する黒木の反応は?
帰宅途中の吉祥寺駅前のベンチに座る、物憂げな黒木。
そこへ偶然、灰谷がやってきて隣に座り、海斗の件を話ます。
第一志望が開成という海斗、フェニックスは上位校へのこだわりがあるが、子供のその先をちゃんと考えているのか、という以前言われた黒木の進言をなぞります。
どの口が言ってるんだ、と真顔になる灰谷。
フェニックスのノウハウをかすめ取って、桜花で試行しているだけだと。
最難関の開成受験がどんなものか分かっていながら、夏にΩ入りしたばかりの海斗に目指させるのは荒唐無稽すぎ。
そして、塾講師失格だと強い口調で、自分の指導法でサミット1の生徒たちを一人でも多く合格させると宣戦布告。
黒木の生徒には開成合格の隙を与えないと、闘争心剥き出しの灰谷ですが…
煌々と灯るイルミネーションが眩しいのか、手をかざしながらお互いベストを尽くそうと言って去っていく黒木。
そうやって偽善ぶっていても、フェニックス時代の黒木を覚えている生徒などもういない。
背中に向かって、最後まで咎める灰谷に対し…
“本望だ。忘れている位で丁度いい”と、サラッと流して駅に向かっていく黒木。
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Point8(90話)
直前期必勝マニュアルとは?
入試まで79日となり、いよいよ「直線期必勝マニュアル」を配ると、講師陣に呼びかける黒木。
配られた冊子を開いた桂は、エグみ増し増しと言った意味深な言葉で笑います。
保護者に熟読してもらうため、黒木は「封入して」準備しておくよう佐倉に指示。
カバンに入れると大抵はジャバラ状になるのがオチだからと…
で、本題は熟読後の保護者と最終調整の面談を行い、冊子に添付してある「絶対合格カレンダー」の記入・提出も回収する想定。
絶対合格カレンダーには、日程、志望校、最寄駅、手続時納入金の記入欄が設けられ、リアルシミュレーションが可能。
しかし、佐倉はここである重大なことに気付いてしまい…
保護者が気づいた移動時間のリスク?
保護者の手に行き渡った絶対合格カレンダー。
そこで各家庭ではある盲点に気付き始めました。
1日に2校受験する場合、移動時間を加味すると、昼食をとる時間が確保できない!
その頃、桂は今回初の佐倉に、その過酷さと解決方法を話していました。
受けたいところ優先だったため、移動手段まで考えていなかった点。
移動の疲れ、当日はどこのファストフード店も受験生で満席予想。
なので、学校のカフェテリアでも昼食可能かもリサーチ必須。
そもそも、1日に2回もテストを受けること自体が超しんどい。
初体験+本番の緊張というダブルヘッダーなので、親御さんのサポートに懸かっていると言っても過言ではない、などなど。
実際、浅井紫の家では紫母が頭を抱え込み、夫に現状を説明し協力を仰ぎます。
もっとも厄介なのが、次のケース。
- 2/1:AM チャレンジ×/PM 安全校◯
- 2/2:AM チャレンジ×/PM 本命校×
この場合、安全校の入学手続が2/3 PM15時〆切のため、2/3の移動の付き添いができなくなる。
そう言ってもまるで他人事の夫に、キレ気味に母が2/3は会社を休んで、手続きに行くように指示します。
納入金はドブに捨てる覚悟?
桂はもう一点、とんでもなくヘビーな選択があることを佐倉に伝えます──
そのころ武田家では、マニュアルを読み込んでいた父がドン引き状態。
もし、入試で受かったとしても、納入金が確認できなければ合格と見做されない。
つまり場合によっては、保険として合格資格を押さえるための捨て金になるわけです。
ヤバいと思って、合格発表時間と納入時間を照らし合わせたところ、同時刻なのが発覚!
つまり、最終日の本命が合格だった場合、滑り止め校に25万円を寄付する覚悟をしておかなければならないと…
スマホゲー課金中毒だった父はソシャゲより怖ええ!と戦慄の表情で…
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Point9(91話)
願書と受験料のカラクリに気づき…
各家庭では保護者が願書にまつわる件で、夜な夜な確認作業がされています。
大友家では、塾のマニュアルには写真はスピード写真ではなく、写真館で取る件で納得する両親。
まず、プロの撮影なので失敗はないし、万が一、急に受験校が増えたとしても、本人不在でデータから焼き回しできるメリットが大きい。
「受験校が増える」という言葉に、今サラッとすごいこと言ったよね…と、ゾッとする父親。
加藤家では、写真と当日のメガネが同じ方が良いこと、直前に作り直すと度数が慣れずに調子を崩すリスクもあるとのマニュアル記載にヒヤッとします。
原家では、秀道の姉のように早朝に並んでもらいに行く手間もなく、全部インターネット上でできる点にホッとする両親。
5年前の姉・紀香は受験期にちょうど反抗期で、言うこと聞かずに困っていたけれど、蓋を開ければ連戦連勝の結果。
一方、秀道は素直にそこそこ取り組むものの、受け身な姿勢になり、偏差値も姉と比べ10も開きがある。
2回目なら上手くいくと思いきや、兄弟といえど全く別の人間(タイプ)ということを思い知るとは…
子育ての妙を改めて感じる保護者たちの夜でした。
志望理由の書き方は国語の解法と一緒
塾では、樹里ママが「教えて、くろっきー!」とあだ名呼びで志望理由の書き方を尋ねに来ました。
まず呼び方を改めるよう、微動だにしない黒木に、サラッと黒木先生呼びに変更。
黒木いわく、志望理由の書き方は国語の問題と一緒とのこと。
学校パンフ、HP、関係者の話などから書き手の伝えたい主題を抜き出して記述する…
それを聞いてゲンナリする樹里ママは、もっとエモみがあった方が良くないと質問。
例えば、樹里としてはJGのどこが気に入ったのか、率直に噛み砕いて大人向けに言い換えることでまとまってくる。
「オサレ〜」→「生徒の自主性を尊重した校風」など!
それはそうと、樹里が2月1日午後にどこも受験されない理由を聞いたところ…
生徒は「う」と比喩されドン引き…
願書の窓口出願がWEB申込みになったことで、先着順が不適用となり、面接時間が読めなくなった。
そう前置きをして、樹里のスケジュールを決めた桂に「2月1日午後に受験しない理由」を質問する黒木。
算数1教科受験なら時間的にも間に合うはずですが?と言って、変更を求めますが…
桂としては、2日以降も難関だから1日午後はその準備に充てた方が良いと判断。
すると黒木は、生徒は水に潜って魚を取る「“う(鵜)”」であり、塾講師は鵜飼いと喩え、鵜が質の良い魚を取らないと、鵜飼いが食いっぱぐれる。
多少苦しがっても、魚の量を優先するべきと言って去って行きます。
さすがにドン引きの桂と、そばで聞いていた佐倉。
それにしても…と桂は、黒木がお金がらみになると露悪的になるのはなぜかと、ため息混じりに言います。
シビアなお金問題と格差社会(家庭)
入学金を計算中の各家庭では、経済的な格差が露見してきます。
裕福な上杉家では、海斗と陸斗の受験料は28万円強で、想定どおりで安堵する母。
一方、山本佳苗ママは、合計が15万円強という数字を知り青ざめます。
同校を2回以上受験する場合は2回目から1万円に割引されるサービスがあるも、初日に合格したら1万円〜がパーになる危険も伴うことも知ります。
まさに中学受験って沼…!!と叫ぶ佳苗ママ。
そして、島津家(祖母の実家)では、順ママが開成高校の願書記入を完了させます。
風呂上りの順は母に風呂に入るよう言って、席を立つ順ママ。
テーブルの願書の受験料28,000円に不穏な表情を落とす順。
すると、公立校のパンフと願書が並んで置いてあり、そういえばちゃんと見てなかったと思い、何気に覗いてみると…
まさかの、受験料が2,200円と、私立の10分の1という驚愕の事実。
ゼロが一個違うのかよ…と、ここで順が家計に配慮した考えが生まれてしまい…
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『二月の勝者』10巻の感想・考察
誰にも相談できないことも狙いか?
前々回の「魔の3ヶ月間」の超絶スケジュールを黒木先生が説明した時、最初の模試前が一番不安が荒れ狂う話がありました。
てっきり母娘の衝突がビシビシあると予想しましたが、親がプチ疑心暗鬼の沼にハマって、誰にも相談できない呪縛にかかるわけですか…これは、かなり危険なことですよね。
桜花だけでは足りないんじゃないか、とアレもコレもと手を出して、ますます子供の負荷が増える方向に動いてしまう。
ってことを、黒木先生も分かりすぎるくらいわかっているんじゃないかなと思います。
きっと、黙っていても生徒の方から近況が上がってくるはずなので、問題ないかなと。
保護者たちには敢えてそのままピークを耐え、1〜2月のためにメンタル強化できるよう仕掛けている可能性ありますが…
戦友とも言える2人の行き先とは?
桜花入塾当初の2人は泣くほど喧嘩していましたが、瀬戸際とも言える今の時期にかけて、素敵な友情に変わり、ほっこりしました。
ちなみに黒木先生は海斗母に言った志望校は、おそらく第3志望あたりじゃないでしょうか。
本命が開成だと聞いた時点で、ネガティブワードを掛けられるのが関の山。
黒木先生も“お客様”である海斗が開成を目指すのなら、保護者に対しても嘘も方便。
もし、海斗が開成合格したら、灰谷先生は白目を向くでしょうね…(笑)
佐倉先生が黒木先生と重なった考えとは?
今まで理解不能だった、黒木先生のパフォーマンスの意味を佐倉先生が回収しましたね。
11月時点でA判定がでなくても、過去の実績から捉えれば十分合格の可能性はあること。
模試を全問解答させず、あくまで志望校レベルに合わせた範囲を徹底してやり込むことなど。
生徒の無駄を削ぎ落とし、負担を減らして一点集中モードにさせる時期ということですね。
佐倉先生もRクラスの合格を託され、かなり燃えているかと思います。
たびたび黒木先生が言う「自分の頭で考える」を実践して、実体験にするチャンスですね!
泣く親に対する佐倉の積み上げ方がプロ
佳苗母の心境は痛いほど分かりますが、その感傷に流されずロジカルに勝ちパターンを積み上げた佐倉先生はさすがです。
Rクラスの合格を任されてから、一段とプロ講師の顔になってきました。
親のモチベーションが、感受性豊かな子供にダイレクトに伝播しますからね。
面談で気持ちを立て直せるかどうかで、全てが決まると言ってもいいほどです。
Rクラスはまだまだ問題児が多い中、黒木先生が抱えるΩの結果はどうなのか気になりますますね!
心配なのはフェードアウト気味の生徒
まるみのJGは絶望かと思いきや、模試の傾向によってはガツンとポイントが上がってて驚きました。
特に、樹里と一緒に取り組んだ基礎固めが効果絶大。
2人の起動は異なれど、最終地点で出会うことを願いたいですね!
ただ、不安なのはRクラスのボス・今川氏とA落ちした礼央ですが…
両親は、特に母親は桜花ゼミナールに不信感を抱き、別の個別塾で面談していたため、もしかしたらこのまま去っていくのでは…
橘の暴走が功を奏するか?
コミュニケーション不足というかすれ違いの積み重ねが、一人の生徒の人生と吉祥寺校の実績を左右することになりました。
橘先生としては辛いところですが、黒木先生との軋轢がハードな結果をもたらし、黒木への報復に繋がるのは悲しいところ。
橘先生としては如何わしい店で黒いことをしていると勘繰っていましたが、完全に当てが外れたパターンですね。
立地的には考えられないクリーンで健常なボランティア聖地に踏み入れ、橘先生が何をするのか気になりますね〜
執拗なまでに抗争心を駆り立てる灰谷
橘先生への辞令が気になりましたが、異動案を出しただけで、どういう意図があるのか気になりますね。
夏合宿後に、冬期講習+正月特訓ともに受講率100%を、全校舎の校長の前で断言してしまった以上、何としてでも達成させないといけない黒木先生。
ただ、あまりプレッシャーに感じている様子もなく、意気消沈しているのは気のせい?
そこへ灰谷先生が、鬼の宣戦布告を被せてきたから、メンタルどうなんの?ってやや不安になりました。
あれだけ優秀な陸斗には遠く及ばないと諦めていた海斗が、まさかのトップオブトップを受験するとは…
灰谷先生も驚愕の事実を知り、僅かな焦りが見えますが、それ以上に海斗が潰れてしまうという警告が含まれていました。
詳しい指導シーンが無いため、どのように海斗を上昇気流に乗せるのか、黒木先生の真意が知りたいところです。
直前で保護者メンブレ状態で大丈夫?
移動時間がギリの場合、共働きの家は相当大変なのではとお察ししますね。
それに掛け捨ての納入金…これはエグみが深い。
最後の最後で財布から掻っ攫われるわけですからね…
しかもここまできたら、絶対にいずれかの学校に食い込ませたい心情。
中受の保護者はまともな感覚じゃメンブレ必至ですが、ここにきて黒木先生の課金ゲーの言葉が身に染みます。(あと狂気)
ここで移動が間に合わない、金額不足という理由で断念されるのは辛いところ。
想定済みと思われる黒木先生が、一体どんな勝ちパターンを用意しているのかも気になりますね〜
とにかく“お金”が付き纏う中学受験
塾に鬼投資してきたのに、最後の最後までお金がシビアに付き纏うのが良くわかりました。
今回は順以外、子供は不参加の両親だけの密室会議。
裕福な家庭は当日見守ることに全力でいられますが、時間もお金も余裕がない場合、子供へのケアが疎かにならないか不安が残りますね…
特に順が、もっとも憂慮している経済面の負担について、どう親子で受け止め、納得の方向に進めていくのか気になるところです。
まとめ
以上、『二月の勝者』10巻の発売日と収録話数予想、ネタバレ・感想考察の紹介になります。
では、最後までお読みいただきありがとうございました(^^